サッカーを知らない女(ヤツ)がサッカーの指導者になると その10

さらら

2017年03月31日 17:27

横瀬西SFC3年目になると、
低学年の新メンバーにとって私は、
はじめから“監督”でした。

それまでの同級生のお母さんからは、徐々に卒業できました。

登下校中に私を見かけると
「あっ!かんとく~!!あのひと、俺たちのチームの監督なんで~」
と、可愛い声が話しかけてくれるようになりました。

この頃からやっと、私自身が考える、
目の前の子供たちに即した(つもりの)練習メニューができるようになりました。
正直それまでは、
「挨拶できるようにしてほしい」
「時間を守れるようにしてほし」
というしつけというか、
団体行動のいろは的なことを求められました。

チームでもやらないことはないけれど、
挨拶や時間のことは家庭でやってよ!と、
最初はぶつくさ文句もいいましたが、
サッカーの指導者が執筆している本を何冊か読んでいく中で、
考えが変わりました。

見つけた良い方法は、
①できた子を率先して褒めること
 例えば、グラウンド整備や用具の片づけになると、
どうしてもさぼろうとする子がいます。
そんな子は、目立ちます。
ほかの子たちもさぼる子たちを見つけて
「○○君、せんので~」と、報告に来てくれます。
けれど、さぼる子にフォーカスして怒鳴っても、
子供たちの間にちょっとした隔たりができるだけで、
チームの活性化にはつながりません。

そこで、一番に取り組んでくれた子や、
いつも取り組んでくれる子、
丁寧な仕事をしてくれる子たちを、
理由もつけて誉めることにしました。
「はるあき、いつも気が付いて、マーカー集めてくれてありがとう!」
といった具合です。

そうすると、低学年では、競うように片付けがはかどりました。
高学年でも、相手を非難する言葉は減り、
自然にゆるやかな役割分担ができてきました。

もう一つは、試合や練習試合で
②良く挨拶ができるチームや礼儀正しいチームを紹介して褒める
ことを始めました。

特に、審判への感謝の心を持ってほしかったので、
審判に対する態度の良かった対戦チームを、試合の直後にほめて、
彼らが審判にどんな態度や挨拶をしているのかを具体的に紹介しました。

するとある時点から、キャプテンが、
試合後必ず審判団に挨拶をしてくれるようになりました。
(これを毎回やると、次の試合の開始を遅らせたり、選手の渋滞を招く
ようで、あまり良い顔をされない時もありますが)

まだまだ、伝統あるチームには追い付いていませんが、
「挨拶しようね」「挨拶しなさい」「挨拶は!?」という
声掛けだけでは進まなかったしつけ(?)が、
ある程度の成果を上げたと思っています。

①と②は、練習のクオリティを上げる際にもとても有効に使えました。
もちろん、今できていないことが何かをはっきりさせるための
コーチングも重要ですが、

上級生が少なく、できて間もないチームにとって

目指してほしい姿や何が目指すべきものなのか、
そのいくつかを
日常の中で具体的に知らせることは、とても大事なことでした。

そして、自分たちの話し合いの中で、
目指したい姿や目指すべき何かを具体化して
練習に取り組めるチームになっていってほしいと
願いました。

なので、横瀬西SFCは、割とたくさんのミーティングを
行ってきたと思います。
試合のビデオを見ながらのミーティング。
練習試合や試合の中でのミーティング。
雨の日の練習の代わりにミーティング。

そんな中で、子供たちが感じていること、考えていることを
教えてもらえることが、とてつもなく貴重で、楽しい時間でした。

サッカー分析の奥深さはさておき、
サッカーの初心者でも、試合に出ていない子でも
全員が意見を言えました。
子供たちは、どんな瞬間でも、ちゃんと考えているんだと
当たり前のことを見逃してはならない気持ちで
取り組んできたのです。






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